ウクライナ南部の局地的な停戦、ヘルソン州全域に拡大と当局者

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ポール・カービー欧州デジタル編集長、オルガ・マルチェフスカ記者、ダン・ジョンソン・ウクライナ特派員(キーウ)

ロシアが占領するウクライナ南部へルソン州オレシュキで始まった局地的な停戦が、同市の位置するヘルソン州で、より広い地域にまで拡大されたもようだ。この停戦は、人道支援物資の搬入と民間人の避難を可能にすることを目的としている。

ドニプロ川南岸にあるオレシュキでは現在、数千人の住民が、食料、水、電気のない状態で閉じ込められている。街の東側にはロシア軍が展開しており、市外へ出る道はすべて危険だ。

しかし、現地時間27日午前3時に始まった停戦について、現時点では違反は報告されていない。

キリスト教カトリック教会のローマ教皇レオ14世と共に停戦の仲介役を務めた米ファーストレディ(大統領夫人)のメラニア・トランプ氏は27日、人道支援物資輸送隊の「安全な通行」を確保するため、停戦の対象地域が拡大されたと述べた。

その後、ウクライナの人権オンブズマンの報道官と、ヘルソン市のオレクサンドル・トロコンニコフ副市長が、この内容を追認。ウクライナ軍が支配するヘルソン市と周辺地域の両方で、ロシア軍の砲撃が停止したと述べた。

この停戦下ではオレシュキへの人道支援物資の搬入が行われ、その後、退去を希望する人々を対象とした避難が30日に予定されている。

オレシュキ自体には推定1700~200人が残っており、周辺地域にはさらに数千人が避難しているという。

多くの住民は生き延びるため、庭の雑草などを調理して食べているという。BBCに対し、極度の飢餓に苦しんでおり、この地を離れたいと話した。

ロシアとウクライナは共に、停戦は順守されていると述べた。ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は、全てが「計画通りに」進んでいると述べ、アメリカの仲介、とりわけメラニア氏の代理人の尽力に感謝の意を表した。

ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、停戦が成果を上げれば、「和平プロセスにおける他の段階への道を開く可能性がある」と述べた。

ウクライナ与党「国民の奉仕者」の議会トップ、ダヴィド・アラハミア氏は、停戦はウクライナ時間11月1日午後10時59分まで続くと説明。今回の停戦を「2022年以来最大の緊張緩和」だと評した。

戦争前、オレシュキには2万4000人が暮らしていたが、2022年2月のロシアによる本格的な侵攻の初期段階で占領された。

2023年にカホフカ・ダムが爆破されて以来、市内は電気、ガス、水道が止まっており、オレシュキ市内だけでも多くの死者が出ている。

状況は極めて切迫している。市内への物資搬入が非常に難しいだけでなく、オレシュキからの脱出ルートには地雷が敷設され、ドローン攻撃の標的となっているため、脱出も危険すぎるという。

オレシュキに住む女性の1人はBBCに対し、地雷を踏んでしまったため入院しており、手術を2回受けたと話した。「いつまで入院が必要なのか分からない」とこの女性は言い、自分は避難に参加できないのではないかと心配していた。

教皇レオ1世は今月初め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、オレシュキへの食料と医療支援の搬入、および安全な避難を許可するよう訴えた。同時に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領には、停戦についてロシアと協力するよう促した。

こうしたなかで23日、米ホワイトハウスはメラニア氏が停戦を取り付けたと発表した。

メラニア氏はソーシャルメディア「X」で27日、停戦の対象地域が「人道支援物資輸送隊の安全な通行を確保するため、オレシュキを超えてヘルソン州内に拡大した」と書いた。

今回の停戦は、29日にも市内に物資を搬入できるよう道路から地雷を除去すること、そして30日に予定されている避難において住民が安全に脱出できるようにすることを目的としている。

ロシア国防省は、陸軍のドニエプル部隊が「工兵偵察」を実施し、村への主要なアクセス道路から「爆発物やブービートラップ(隠しわな)」を除去したと発表した。

避難計画の詳細は不明な点が多く、住民は当局に氏名や住所を明かすことに不安を感じている。しかし、地元のボランティアがBBCに話したところによると、27日午後までに約500人が避難に関心を示しているという。

ロシアが任命したヘルソン占領地域の責任者ウラジーミル・サルド氏は、ヘルソン地域自体に加え、ロシアが併合したクリミア半島、そしてロシア国境を越えたロストフ、クラスノダール、スタヴロポリの各地域にも、一時的な宿泊施設が用意されていると述べた。ロシアは2014年、クリミアを不当に併合した。

サルド氏はロシアのメディアに対し、オレシュキの住民の大半が市を離れてロシアに留まりたいと考えていると述べた。しかし、この発言は現地で裏付けられていない。

現地の人々と連絡を取るのは難しい。通信状況が不安定な上、多くの人がロシアからの報復を恐れ、状況について話したがらないからだ。

BBCの取材に応じた住民や住民の家族たちは、ロシアがウクライナへの帰国を許可しない可能性や、ウクライナへの支援の兆候がないか携帯電話やインターネット上での活動を調査する可能性があるとして、自分や家族が身の危険にさらされるのではないかと心配している。

ウクライナ軍の参謀本部は、国民に対し、「人々の移動経路、時間、場所、および人道支援物資輸送隊」に関する未確認の報告を信用したり、うわさを広めたりしないよう呼びかけた。

ゼレンスキー大統領は、ロシアが地雷除去を行ったオレシュキからの脱出ルートは、オレシュキを脱出する民間人が「ロシアに向かい、そこに留まる」ことを確実にしてしまうと警告した。

大統領はその一方、一部の住民は「何らかの方法で」ウクライナ支配地域にたどり着くだろうと述べ、閉じ込められている住民全員が目的地に到着した後、ウクライナに避難するのが理想だと話した。

約3週間前に地雷原を通ってオレシュキから避難したセルヒーさんは、自分は最終的にはロシアとベラルーシを経由してウクライナに戻ったと話した。セルヒーさんは、ロシア占領地域を避けるドニプロ川横断ルートが必要だと述べ、「ロシア連邦を信用することはできない」と強調した。

しかし、ドニプロ川にかかる橋は破壊されている。情報筋によると、川岸にも地雷が敷設されていて危険なため、ここからウクライナ支配地域への越境は不可能と思われる。

川を挟んだ対岸ヘルソン市の地元メディアは、停戦が始まった27日午前3時以降、爆発音は聞こえず、ドローン関連の負傷者も報告されておらず、車や歩行者は自由に行き来していると伝えている。

追加取材:アナスタシア・レフチェンコ記者(キーウ)