ブラジル大統領選、米メタが干渉とルラ大統領が主張 対立候補の失格を要求

ダークスーツ姿のルラ氏とボルソナロ氏が向かい合って立ち、ルラ氏が左手を上げている
画像説明, ブラジルで25日に行われる大統領選の決選投票は、現職の左派大統領ルラ氏(右)と右派のボルソナロ氏(左)の対決となる
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南米ブラジルで、大統領選の決選投票を25日に控える中、左派の現職ルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ大統領の陣営は21日、米ソーシャルメディア大手「メタ」が、右派の対立候補フラヴィオ・ボルソナロ氏の有利となるような選挙干渉をしたとして、同氏の立候補資格を剥奪するよう裁判所に求めた。

ブラジルの高等選挙裁判所に21日に提出した申し立ての中で、ルラ大統領は、ワッツアップ、インスタグラム、フェイスブックを運営するメタが、ボルソナロ氏の選挙活動を後押しするため、ルラ陣営のコンテンツが届く範囲を制限したと非難した。

これに対し、ボルソナロ氏は、政府側の投稿がワッツアップ上で大量に拡散されたとして、ルラ氏の資格を剥奪するよう求める申し立てを行った。

メタは、選挙活動を不平等に扱った事実はないとしている。

国連の専門家が懸念を表明

国連の専門家らは21日、メタのプラットホーム上で有権者に情報を届ける能力に、陣営によって差があるとの報告を受け、懸念していると表明していた。

国連の、表現の自由に関する特別報告者が主導した報告書は、ブラジル大統領選の期間中、メタはオンライン上で公平な競争環境を確保しなければならないと指摘した。

報告書は、具体的な事例として、「一方の候補者の選挙活動用アカウントが一時的に利用できなくなったことや、オーディエンス・エンゲージメントやフィード、閲覧数やリーチに差が生じたこと、当該選挙活動のインスタグラム投稿が制限されたこと」を挙げた。

また、「メタの従業員が提供したものを含む複数の情報は、大統領選の一方の陣営に関連するアカウントが、不均衡なほど制限されていたことを示唆している」とした。

メタは、選挙で一方の陣営を有利にするための措置を講じた事実はないと否定。ボルソナロ、ルラ両候補を平等に扱うよう命じたブラジルの裁判所の命令に従うと表明した。

ルラ陣営はこれまでにも、ボルソナロ氏に関連するアカウントやコンテンツが優先的に表示されていると申し立てていた。

複数のユーザーからも、メタの人工知能(AI)ツールでは、ルラ氏に関連する画像を作成できないとの報告が寄せられていた。

抗議者たちが、トランプ米大統領と、メタのマーク・ザッカーバーグCEOの大きな顔写真を掲げている
画像説明, ルラ氏の支持者はサンパウロにあるメタのオフィス前で、同社が選挙干渉していると非難した

4期目を目指す現職 vs 前大統領の長男

ブラジルでは25日、大統領選挙の決選投票が行われる。現職のルラ氏は通算4期目を目指している。

10月4日に行われた第1回投票では、ボルソナロ氏が僅差でルラ大統領を上回った。しかし、当選に必要な有効票の過半数を得られなかった。

ルラ陣営は21日、ボルソナロ氏と副大統領候補のアルフレド・ガスパル氏の「経済的権力の乱用とソーシャルネットワークの不適切な利用」に関する調査を実施するよう、ブラジル高等選挙裁判所に申し立てた。

同陣営は、今年の大統領選以降8年間にわたり、ボルソナロ氏が選挙に立候補できないようにすることも求めている。

こうした中、ボルソナロ氏は、ルラ氏が「政治的権力と経済的権力を乱用」していると非難した。

ボルソナロ氏は、右派のジャイル・ボルソナロ前大統領の息子。前大統領は2022年の前回大統領選でルラ氏に敗れた後、クーデター未遂事件を首謀した罪で禁錮27年の刑に服している。

フラヴィオ・ボルソナロ氏は、政府が公的なデータベースから取得した個人情報を利用し、社会保障プログラムを宣伝する大量のメッセージをワッツアップで送信したと主張している。

複数の世論調査では、両候補の支持率に大きな開きはなく、決選投票は極めて接戦になると予想されている。約1億5900万人の登録有権者が25日の投票に臨む。