【解説】 ブラジル大統領続投のルラ氏、直面するのは敵対する議会と分裂した国

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マリナ・ロッシBBCニュース・ブラジル(サンパウロ)、レアンドロ・プラゼレスBBCニュース・ブラジル(ブラジリア)、ヴァネッサ・ブシュシュリューター・ラテンアメリカ・オンライン編集長
ブラジルの大統領選は、ベテラン左派の現職が勝利を収めた。予想外の結果であり、その道のりは平坦ではなかった。そしてこの先も、2003年の就任以来、最も厳しい政治情勢に直面することになる。
ルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ氏は、激戦の選挙戦で右派の対立候補、フラヴィオ・ボルソナロ氏に440万票差で勝った。
ボルソナロ氏はブラジリアで支持者に対し、選挙結果の無効を求める意向を表明した。しかし、ルラ大統領とその支持者たちは、今回の結果を「歴史的勝利」と称し、祝賀ムードに包まれている。
かつて金属を切削加工する旋盤工だったルラ氏は、すでに3期にわたり大統領を務めた。今月初めの第1回投票で敗れた後、25日の決選投票で劇的な逆転勝利を収めた。
ルラ氏がわずか3週間で形勢を逆転できるとは、多くの人が考えていなかった。しかし、その選挙運動は街頭デモとソーシャルメディアでの大規模なキャンペーンによって勢いを取り戻した。
ルラ氏の勝利は、有権者が現職を罰して右派に傾倒していく、ラテンアメリカ全般での潮流に逆行する。ラテンアメリカでは、アルゼンチン、チリ、コロンビアといった大国でいずれも保守派の指導者が政権を握っている。
しかし、2027年1月5日に始まるルラ氏の新しい任期は、ドナルド・トランプ米大統領との対立を含め、国内外の重大な制約の中でスタートすることになる。
トランプ氏は、コロンビアとホンジュラスで行われた大統領選挙では、勝利した右派候補を支持した。それに対し、ブラジルでは右派ボルソナロ候補を直接支持することはなかった。それでも、人口2億1300万人のブラジルのかじ取りを保守派に任せたいと、トランプ政権が考えていたことに疑いの余地はない。
トランプ政権はラテンアメリカをアメリカの勢力圏とみなし、国防、安全保障、貿易などでアメリカの政策を支持する指導者を政権に就かせたいと考えている。
ホワイトハウスはさらに、西半球における中国の影響力を弱めることにも強い関心を示している。

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ブラジルは石油資源が豊富で、レアアースも世界第2位の埋蔵量を誇る。南米の大国としては唯一、右派指導者が政権を握っていない。そして、ルラ大統領はおおむね中国寄りと見なされている。
ボルソナロ候補は、ブラジルとアメリカの連携を今まで以上に緊密にすると公約していた。対するルラ大統領は、選挙に干渉しないようアメリカに警告し、「(ブラジルは)誰かの裏庭になることなど、決して受け入れない」と繰り返し主張していた。
ホワイトハウスは今回の結果に落胆しているかもしれない。一方、ボルソナロ氏が勝利すれば、影響力の強いブラジルの農業ビジネスや鉱業部門がさらに力を得ると懸念していた環境保護活動家たちは、この結果を歓迎するだろう。
環境活動家たちは、ボルソナロ氏の父ジャイル・ボルソナロ前大統領時代にアマゾンで記録的な森林破壊と森林火災が発生したことを指摘し、ボルソナロ氏の緩慢な環境政策によって、この重要な生態系が再び破壊される可能性があると主張していた。

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ルラ大統領の支持者たちはその勝利に大喜びしている。しかし、有権者の48%以上がボルソナロ氏を選んでいるだけに、今回の結果はブラジル国内が依然として深く分断されていることを示している。
これほど深く分断された国を統一するという難題に加え、大統領はブラジルが民主化して以降、最も右派的な議会と共に、政権を運営していかなくてはならない。
ボルソナロ氏率いる自由党(PL)は、大統領選と同時に実施された連邦議会選挙で最も議席数を伸ばした政党だった。
しかし、ルラ氏率いる労働者党は決選投票を前に各地で大規模な集会を開き、草の根レベルでいかに強く支持されているかを示した。
ルラ氏は選挙前、今回の選挙は「ブラジルにとっての分かれ道」だと表現していた。
大統領は、「新しい統治方法」によってブラジルの対立する政治勢力間の溝を埋めると公約し、選挙前には通信アプリ・ワッツアップのライブ配信で、「この国は二度と前のようにはならない」と強調した。
新しい統治方法が具体的にどのようなものになるのか、ルラ氏はほとんど詳細を明らかにしていない。しかし、「すべての人に機会が与えられ、国民のニーズに合わせた政策が実施される、より公正な国を目指して、断固として闘い続ける」と強調した。
議会はもっぱら、大統領に敵対的な姿勢を示している。そのため、4期目の任期終了時には85歳になるこのベテラン指導者にとって、今回の戦いは過去3期で経験してきたものよりはるかに困難なものになるかもしれない。

















