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仮想通貨取引所バイナンスに過去最大規模のハッキング被害、再開後に36億ドルの顧客引き出し
オズモンド・チア・ビジネス記者
先週ハッキングを受けた暗号資産(仮想通貨)取引大手バイナンスは1日、営業を再開した。この日の顧客引き出しによる純流出額は36億4000万ドル(約5700億円)に上った。
バイナンスはハッキングを受け、すべての取引を停止していた。プラットフォームからは当初、63億ドル相当のデジタル資産が盗まれた。
米連邦捜査局(FBI)をはじめとする主要捜査当局は、史上最大規模のハッキング事件とされる今回のサイバー攻撃について、北朝鮮のハッカー集団によるものだと非難している。
バイナンスは、盗まれた資産の約95%をすでに補填(ほてん)したものの、残りの補填には時間がかかる可能性があると述べた。今回の攻撃に関連する損失は全額補償すると、繰り返し表明している。
バイナンスは、「(グリニッジ標準時)11月1日午前6時から午後3時30分(GMT)の間に、46億4900万ドルの出金と10億1000万ドルの入金を処理した。純流出は約36億4000万ドルだった」と発表した。出金額は当初「急増」したが、その後に減少し、「予想通り安定しつつある」という。
これは、同社の運用資産総額1710億ドルの2.1%に相当するという。同社は10月30日、攻撃による損失を補償するため約63億4000万ドルの内部資金を確保したと説明していた。
同社はさらに、ビットコインやイーサリアムなど20種類以上の主要仮想通貨の引き出しが再開されたこと、セキュリティーチェックが完了次第、より多くのサービスが段階的に再開される予定だということも明らかにした。
バイナンスへの攻撃は、「トレーダー・トレイター」や「ラザラス・グループ」として知られる北朝鮮のサイバー犯罪グループによるものとされている。同グループは2025年、米仮想通貨取引所バイビットから当時としては記録的な15億ドルを盗み出した。
FBIは10月31日、同グループに関連する仮想通貨ウォレットのアドレス一覧を公開。業界関係者に対し、これらのウォレットが関与する取引を阻止するよう協力を求めた。
また、今回のハッキングは、バイナンスのグローバル中央集権型取引所(CEX)である「Binance.com」が標的となったが、アメリカ向けプラットフォームは影響を受けていないと述べている。
「Binance.com」は、影響を受けた資産を凍結するよう、仮想通貨発行者に緊急要請した。
バイナンスは先週の時点で、初期調査の結果、今回の事態はエンジニアが所有するノートパソコンが不正アクセスを受けたことを発端に、不正な取引を行う手段をハッカーたちが見つけた可能性があることが分かったと発表した。
同社は、自己資金、先物保険基金、緊急準備金などの資金源を組み合わせて、顧客の資産を補填したと述べた。
「当社の姿勢は変わらない。バイナンスは、今回の事態で盗まれた資金の経済的損失を全額補償する」と、同社は声明で述べている。
デジタル資産である仮想通貨は、バイナンスなどの仮装取引所で売買される。現金と違い、物理的な形態は存在せず、コンピューターやスマートフォン、その他のデジタル機器上で管理される。
バイナンスは中国で設立され、世界中に数億人の登録ユーザーを抱えている。