ソウル雑踏事故の映像をゲームに使用、遺族が米企業に削除求める

韓国の路上で兵士が車を飛び越える様子が描かれている。兵士はヘルメットと防護服を着用し、大型の銃を携えている。
画像説明, 人気ゲーム「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア4」では、プレイヤーは北朝鮮と韓国の戦争に身を置くことになる
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リヤ・コリンズ(BBCニュースビート)

2022年に韓国・ソウルの繁華街で発生し約160人が死亡した雑踏事故の映像が、人気シューティングゲーム「コール オブ デューティ(CoD)」の最新作に使用されている。犠牲者の遺族らは衝撃を受け、削除を求めている。

23日に発売された「コール オブ デューティ モダン・ウォ―フェア4」の冒頭シーンでは、梨泰院(イテウォン)で発生した雑踏事故の救助活動の映像が、北朝鮮による架空の攻撃後の状況として使われている。

遺族らは、ゲームにこの映像を含めることは「無分別だ」とし、発売元の米アクティヴィジョンに映像の削除を求めている。

同社は、事件当日の記録を使用したことを認めたものの、「梨泰院での惨事やその他の現実世界の悲劇について、いかなる形であれ、言及したり軽視したりする意図は一切なかった」と述べた。

同作の開発にあたり、「私たちは題材を慎重かつ敬意をもって扱った」と、同社の広報担当者は説明。

「ゲームのオープニングムービーでは、現実世界のニュース映像を利用して、ゲームの架空の物語を構築している」とした。

「極めて不適切」

韓国は29日、転倒事故から4年を迎えた。事件当夜は、ハロウィーンを祝うために10万人以上がソウルの繁華街に繰り出した。狭い通りは群衆でごった返し、身動きが取れなくなり、呼吸困難に陥る人もいた。

「多くの市民が互いに心肺蘇生を行い、犠牲者が凍えるような路上に横たわっていた、あの混沌とした絶望的な光景が、ゲームのシーンを作るためにそのまま使われたことに、私たちは憤りを禁じ得ない」と、遺族らは声明で述べた。

「このような出来事を娯楽目的のゲームの素材として利用することは、それ自体が極めて不適切で無分別な行為だ」、 「ゲーム開発者が被害者に対して最低限の礼儀と共感の心を持っているなら、遅滞なく是正措置を講じるべきだ」とも、声明は指摘している。

アクティヴィジョンは、シーンを編集して映像を削除ほしいという要請についてコメントしなかった。

この作品は先週の発売後、北朝鮮が韓国に侵攻するという設定で既に批判を受けていた。両国は事実上、数十年にわたり戦争状態にある。

朝鮮戦争は1953年に戦闘が終結したが、両国は平和条約を締結しておらず、この地域では紛争の危険性が依然として非常に高い。

ゲームの発売に際し、「コール オブ デューティ」の最高マーケティング責任者であるタイラー・バール氏は、BBCニュースビートに対し、「これはあくまでエンターテインメントであることを理解しなければならない」と語った。