ウクライナ中部の鉄道駅にロシアのドローン攻撃、少なくとも14人死亡と当局

画像提供, National Police of Ukraine
トム・マッカーサー
ウクライナ中部の街ドニプロで29日、鉄道駅がロシアのジェット推進型ドローンの攻撃を受け、少なくとも14人が死亡した。ウクライナ当局が発表した。駅のプラットホームは当時、多くの客で混雑していたという。
ドニプロがあるドニプロペトロウシク州のオレクサンドル・ハンジャ知事によると、この攻撃で11歳の少年を含む少なくとも14人が負傷した。
ウクライナの国営鉄道会社ウクルザリズニツィアは、駅に停車していた、南部の街ザポリッジャ行きの旅客列車にドローンが着弾したと説明した。
ロシア軍はこの攻撃について、公にコメントしていない。同軍はこれまで、ウクライナの広範な鉄道網を繰り返し攻撃しているが、民間人を意図的に標的としているとの指摘は否定している。
ウクルザリズニツィアのトップ、オレクサンドル・ペルツォフスキー氏によると、ドニプロでは29日の攻撃に先立ち、脅威レベルが引き上げられていた。
「しかし残念ながら、ドローンが着弾した時、プラットホームには大勢の人が残っていた」と、ペルツォフスキー氏は述べた。
ドニプロのボリス・フィラトフ市長は、攻撃を悲劇だとし、民間の電車にドローンが直撃したと述べた。
ウクライナの救助当局が公開した複数の写真には、プラットホームに大きな穴が開き、その周囲に複数の遺体が散乱している様子が写っている。遺体にはぼかし加工がされている。近くに停まった列車も爆発で損傷し、窓ガラスが粉々に割れている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「ロシアは、通常の通勤列車や旅客列車が停車していたプラットホームをドローンで攻撃した」と指摘。
欧米諸国や主要7カ国(G7)に対し、ロシアに追加制裁を科すよう求めた。また、アメリカのドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が今月上旬に、アメリカによるロシア産ディーゼル燃料の輸入で合意したことを改めて批判した。この合意により、対ロシア制裁の一部も緩和される。
ウクライナ各地に攻撃
29日には北部チェルニヒウ市の中心部でも、ロシアのミサイル攻撃があり、15歳の少女2人が死亡した。チェルニヒウ州軍政トップのビャチェスラウ・チャウス氏が明らかにした。この攻撃では子ども4人を含む少なくとも25人が負傷したという。
チェルニヒウとドニプロでは、30日を服喪の日とすることが決まった。
また、中部ポルタヴァ州クレメンチュクでは、住宅や学校を標的としたロシアのドローン攻撃で3人が死亡、28人が負傷した。ポルタヴァ州軍政トップのヴィタリー・ディアキヴニチ氏が発表した。

画像提供, Chernihiv Patrol Police
ロシアによる最新の攻撃は、ウクライナ南部オレシュキでの不安定な停戦を維持するための取り組みが続く中で起きた。同市は、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した2022年からロシアの占領下にある。住民たちは何年もの間、食料や水、医薬品、電力が不足した状態で取り残されている。
ウクライナ議会の人権コミッショナー、ドミトロ・ルビネツ氏は、通信アプリ「テレグラム」への投稿で、オレシュキでの停戦が3日目に入っても維持されていると明らかにした。
こうした中、クレムリン(ロシア大統領府)は、ロシア・アフリカ首脳会議が開催されているモスクワにドローン攻撃を仕掛けたとして、ウクライナを非難した。ロシア国営タス通信が伝えた。2日間の日程で行われる同会議には、アフリカ各国の指導者や、48カ国からの政府代表団が出席している。
モスクワ市長によると、夜間にウクライナのドローン613機が同地域へ向けて発射された。その大半は撃墜されたという。
鉄道インフラへの攻撃が急増
ロシア国防省は、ウクライナの民間人を標的にしているとの指摘を一貫して否定している。また、鉄道への攻撃については、軍人や軍事装備の輸送に使用されるインフラを狙ったものだと主張している。
しかし、鉄道を利用する一般乗客たちは現実に脅威に直面している。ウクライナの鉄道インフラへの攻撃は急増している。
AFP通信が入手した、ウクルザリズニツィアの統計によると、ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以降、521もの機関車が攻撃を受けている。このうち約6割は今年に入って攻撃されたものだ。
鉄道施設に対する攻撃件数は、今年に入り1700件と、2025年1年間の1206件から増加している。
ここ数週間は、ウクライナのインフラに対してより広範な攻撃が行われているもよう。首都キーウでは二つの橋が攻撃されたほか、地下鉄も被害を受けた。
(追加取材:ヤロスラフ・ルキフ)















