フランスの抗議デモで警官に火炎瓶、殺人未遂事件として捜査開始

路上で完全武装の暴動鎮圧装備を身に着けた警官の左脚が炎に包まれている。右脚の状況は、前にいる警官に隠れてよく見えない。近くに多数の警官と、白いTシャツとダークパンツ姿の髪の長い人がいる
画像説明, 警官の脚が炎で包まれた(10月31日、パリ)
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フランスで10月31日、抗議デモの参加者らと警官隊が衝突し、警官に火炎瓶が投げつけられた。これを受け検察は1日、殺人未遂事件として捜査を開始した。仏メディアが報じた。

フランスでは数週間にわたり、街頭での抗議デモが続いており、参加者にけが人も出ている。

31日には、警官の脚が炎に包まれている写真が出回り、怒りの声が上がっている。

この警官は、足首をやけどし、手に軽傷を負った。仏紙ル・フィガロの取材には、「通常の火炎瓶よりもはるかに高い燃焼能力」をもつ「非常に高度な」発火装置が使われたと説明。使用された液体は、まだ特定されていないとした。

国家憲兵隊(厳密には軍の一部だが内務省の管轄下にある法執行機関)所属のこの警官はまた、自分たちの隊が「突然、敵対的で装備の整った敵数百人と向き合うことになった」と同紙に説明。

「抗議デモ参加者ではない敵対的な人々に直面した」、「これらの敵対者は、国家を代表する人たちに危害を加える意図をもって、そこにいる」と述べた。

この警官はさらに、別の警官14人も軽傷から重傷までさまざまなけがを負ったとし、敷石で殴られた警官もいたと話した。また、自らが所属する隊について、この日は休みだったが、抗議行動の警備のため緊急に呼び出されたと説明した。

ローラン・ヌニェス内相は、警官の隊列に火炎瓶を投げつける行為は「殺人未遂と呼ぶべきだ」と主張。犯人については、警察が特定に努めているとしている。

動画説明, パリで警官隊に火炎瓶が投げつけられた(※不快に感じる恐れのある映像が出てきます)

フランス各地で10月31日にあった抗議デモは、計数十万人が参加し、おおむね平和的に進んだ。参加者は、生活費の上昇や学校教育をはじめとする公共サービスの質の低さへの対応を求めた。

同国では、9月下旬に若者主導の抗議行動が始まって以来、デモが続いている。衝突や略奪行為も発生していることから、先週末は全国で数千人の警官が配備された。一部の都市では、デモ参加者に向けて警官が催涙ガスを発射した。

フランス内務省によると、31日の逮捕者は770人超で、前の週の半分ほどだった。

抗議行動を組織している運動体「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」は、最近の抗議デモで参加者数十人が重傷を負っており、その多くが「手投げ弾」によるものだとしている。

フランスは10月、手投げ弾で少年(15)の手が吹き飛ばされたのを受け、同じ種類の手投げ弾を学生デモの鎮圧で使うのを停止した。その後の抗議デモで、警察は別の種類の手投げ弾を使い続けていると、仏紙ル・モンドは報じている。

先週末にはドイツとイタリアでも抗議デモが繰り広げられるなど、若者を中心とした抗議行動が欧州各地で続いている。要求内容はさまざまだが、大まかに生活費の上昇と公共サービスの不備に対し、政府は対応すべきだと訴えている。

動画説明, ドイツで平和的な抗議活動が暴力と略奪に変容