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【米中間選挙2026】熱狂的な光景、数々の歴史的な結果 トランプ氏は民主党が「よくやった」と
ナーディーン・サアド記者(ロサンゼルス)、ジェイムズ・フィッツジェラルド記者
3日に投開票が行われたアメリカの中間選挙で、野党・民主党が連邦議会の上下両院で主導権を奪還した。ドナルド・トランプ大統領の残る任期の間、議会は野党が支配することになった。
最終結果が出る前から、歴史的な出来事や祝賀ムードに包まれた場面がいくつも生まれている。
民主党は「偉大なアメリカの復活」と主張
民主党は、2年前に共和党のトランプ大統領が楽勝した多くの州で逆転勝利を重ね、テキサス州、カンザス州、オハイオ州、サウスカロライナ州などで大きく躍進した。
民主党の下院トップ、ハキーム・ジェフリーズ院内総務は選挙結果を歓迎し、支持者を前に開口一番、「アメリカが戻ってきた」と宣言。「今日からアメリカの偉大な復活が始まる」と主張した。
ジェフリーズ院内総務が下院における民主党トップに留任する場合、同氏は現在のマイク・ジョンソン下院議長(共和党)と交代して、下院議長になる。
トランプ氏が民主党を称賛
共和党のドナルド・トランプ大統領はこの夜、米メディアに対して終始、融和的な姿勢を示し、民主党は「よくやった」と認めた。
トランプ氏は選挙結果を受け入れると述べ、野党との協力関係を楽しみにしていると述べた。ただし、大統領として、民主党がテキサス州で可決させた法案に拒否権を行使する権限は依然として保持すると付け加えた。
トランプ氏はまた、一部の共和党候補者から距離を置き、「候補者が有権者に気に入られなかった場合もあれば、私の友人ではなかった場合もあった」と主張した。
さらに、「イランも一因だった」と述べ、アメリカの消費者物価に影響を与えた米・イスラエルによるイラン戦争が、投票結果にも影響を及ぼしたことを認めた。
一方、自分のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」では、トレードマークの赤い野球帽に「veto(拒否)」の文字が刻まれた写真を投稿した。
共和党の牙城テキサス州が民主党に投票
共和党の牙城とされるテキサス州で、民主党は二つの大きな勝利を収め、ほぼ2世代にわたって続いてきた一連の敗北に終止符を打った。連邦上院選では民主党新人のジェイムズ・タラリコ候補が当選確実となったほか、同ジーナ・ヒノホサ氏が州知事に選出された。
タラリコ氏の支持者集会を取材したBBCのギャリー・オドノヒュー記者によると、出席者たちは抱き合い、キスを交わし、酒をくみ交わして、まさか実現するとは思ってもみなかった現実を祝っていたという。
ヒノホサ氏は、同州初のラテン系女性知事となった。
民主党はカンザス州でも歴史的な夜を迎えた。アダム・ハミルトン上院候補が接戦の末に勝利し、同州から約1世紀ぶりに民主党の上院議員が誕生した。
ジョージア州では初の黒人女性知事が誕生
ジョージア州の知事選では、民主党候補のケイシャ・ランス・ボトムズ氏が当選確実となった。黒人女性が州知事になるのはアメリカで初めて。また、ジョージア州では20年以上ぶりに民主党の知事が誕生した。
ボトムズ氏は2018~2022年に同州アトランタの市長を務めた。その後、ジョー・バイデン政権(民主党)で働くなどした。
ボトムズ氏は、共和党候補のリック・ジャクソン氏を破った。ジャクソン氏は富豪の実業家で医療業界の幹部で、退任するブライアン・ケンプ州知事とトランプ大統領の支持を受けていた。
ジョージア州の連邦上院選では、民主党の現職ジョン・オソフ議員が再選された。
オソフ氏をめぐっては、2028年の大統領選への出馬を検討しているのではないかといううわさが飛び交っており、この憶測は今後さらに高まるだろう。もし出馬すれば、有力候補の一人となると目されているが、同氏は今のところそのような計画はないとしている。
フロリダ州では初の黒人知事誕生
民主党が数々の歴史的な議席獲得を達成し、トランプ大統領の残りの任期で連邦議会を完全に掌握することが決まるなか、フロリダ州では共和党候補らが相次いで民主党からの挑戦を退けた。知事選では共和党候補が、同州初の黒人知事に選ばれた。
トランプ大統領の支持を受けた共和党のバイロン・ドナルズ氏が知事選で勝利する見通し。また、アシュリー・ムーディ上院議員が僅差で再選を果たす見通しになっている。
ムーディ氏は、マルコ・ルビオ国務長官が空けた上院議席をめぐる補欠選挙で、民主党のアンジー・ニクソン氏と対決していた。
2021年から連邦下院議員を務めるドナルズ氏はトランプ氏の熱烈な支持者で、一時は2024年の副大統領候補の最終候補リストに名を連ねていた。
ニューヨーク・ブルックリン生まれの同氏は、大学進学のためにフロリダに移住した後、連邦下院議員選に出馬する前から、地元政界の重鎮となっていた。
一方、民主党もフロリダ州でいくつかの予想外の勝利を収めている。
同州では先に、州議会の共和党議員らが、民主党が連邦下院で議席を保持している3選挙区で区割りを変更し、共和党に有利な状況を作った。
しかし、これらの議席はすべて民主党が維持した。
同性愛者を公表している初の上院議員
ニューハンプシャー州の上院選に勝利した民主党のクリス・パパス氏は、同性愛者を公表している初の上院議員となる。パパス氏は選挙集会のステージ上で、夫と共に勝利を祝った。
パパス氏は共和党の元上院議員ジョン・スヌヌ氏を破ったが、壇上では「ニューハンプシャー州民のために尽力してくれたジョン・スヌヌ氏には、私たち全員が大きな感謝の念を抱いている」と感謝の意を述べた。
46歳のパパス氏は2019年から同州選出の下院議員を務めていたが、上院選への出馬を決意したため、再選を目指さないことを選択した。
メイン州選出の上院議員、30年の政治家生活に幕
メイン州選出の上院議員を30年間務めてきたスーザン・コリンズ氏は、共和党がいかに全国的に敗れたかを象徴するひとつの例となった。
コリンズ氏は、民主党候補のトロイ・ジャクソン氏に敗れた。林業出身のジャクソン氏は、労働者としての自分の経歴を強調し、労働者階級の有権者の支持を求めた。
米メディアが報じた声明の中で、コリンズ氏は敗北を認め、同州選出の議員として30年にわtり奉仕できたことは「人生最大の栄誉だった」と述べた。
コリンズ氏は、再選を目指す共和党の現職議員の中でも、特に不利な立場から選挙に臨んだ。トランプ大統領と距離を置くという戦術は奏功しなかった。
BBCのヘレナ・ハンフリー記者は、メイン州の都市で行われたコリンズ氏の集会の雰囲気は重苦しいものだったと伝えている。パーティーでは「クロージング・タイム」という曲が演奏された。