フランス各地の抗議で参加者急増、賃上げ求め労組も協調

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フランス各地で5日、賃上げや公共サービスの予算拡大などを求める大規模な抗議集会やデモ行進があった。五つの労働組合も加わり、内務省によると計60万人以上が参加した。

左派のフランス労働総同盟(CGT)は、抗議行動の参加者は計157万人に上ったと発表した。パリのほか、マルセイユ、ボルドー、リールで大規模な抗議行動があり、10月17日の抗議行動(内務省発表で55万人、労組発表で80万人が参加)を上回って、2023年以降で最大規模に膨らんだとした。

フランスでは、9月から抗議行動の波が続いている。リセ(高校)の劣悪な環境と資金不足をめぐって若者らから始まった抗議の動きは、大学、労働者へと広がり、物価高騰に抗議する「黄色いベスト」運動の再燃につながっている。

労組側は、政府に対する協調行動を「次の段階」に進めると宣言している。CGTトップのソフィー・ビネ氏は、「この動員を止める唯一の方法は、私たちの要求に応じることだ」としてきた。

こうしたなか、セバスチャン・ルコルニュ首相は5日夕、労組や経営者団体との協議を9日に実施すると表明。国民の「購買力と賃金に関する疑問に答える」ことを目指すとした。

この日の抗議行動には、公務員の推定9.89%がストライキの形で参加したことが、政府の統計からうかがえる。

また、学校、病院、公共交通機関などで混乱が報告された。パリのエッフェル塔や、ルーブル美術館の一部の展示室は閉鎖された。

教育省は、教員の16%もこの日、ストライキに参加したと発表した。労組によると、15~18歳が通う高校4校に1校以上と、大学の大多数に影響が及んだ。

石油精製所の労働者にも生産停止が呼びかけられた。原子力発電所の操業も停止されたため、フランスはこの日、国内で生産するよりも多くの電力を輸入する見込みとなった。

「黄色いベスト」運動は、6日と7日にも抗議行動や封鎖を呼びかけている。

衝突や騒動も

複数の都市では5日、衝突や騒動も報告された。

リヨンのローヌ川にかかるガリエニ橋付近では、極左集団「ブラック・ブロック」の活動家数百人が警官隊と衝突し、車に火が放たれた。

北西部の都市レンヌでは、「覆面をした敵対的な集団」が労組のデモ行進の前に集結したと、当局が説明。南西部の都市ボルドーでは、広場から人を排除するのに催涙ガスが使われた。パリ北郊セーヌ=サン=ドニでは、高校封鎖中に生徒が関わる刺傷事件が発生し、10代の1人が負傷した。

ローラン・ヌニェス内相は、この日のために警官7万人を配備し、暴力には「極めて断固とした対応」を取ると表明していた。

ただ、この日の騒乱は、10月17日の大規模抗議行動の時ほどではなかった。この日は2000軒以上の店舗で略奪があり、歴史的建造物が燃やされた。

抗議者らの要求

公共と民間の労組連合は、最低賃金を現在の時給12.31ユーロ(約2175円)から引き上げることなどを求めている。

穏健派のフランス民主労働連盟(CFDT)のトップ、マリリーズ・レオン氏は、引き上げるべきは最低賃金だけではないと主張。「私たちは月100ユーロの収入増を求めている」とした。

燃料価格の高騰にも、国民の怒りが高まっている。政府は戦略備蓄から1000万バレルのディーゼル燃料を放出し、燃料価格の引き下げを図っている。

高校生らが不満を募らせている大学入学選考プラットフォーム「Parcoursup」については、閣僚らが改革を約束。2028年までに代替プラットフォームを導入するとした。

政府は国民の購買力アップや賃上げについて、対策を取る余力はほとんどないとしている。これは、財政赤字を国内総生産(GDP)比5%まで減らすため、数百億ユーロの節約を目指しているためだ。