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メラニア・トランプ氏がウクライナでの恒久的な停戦を呼びかけ、ロ・ウ両国の代表と会談
ラウラ・ゴッツィ記者
アメリカのファーストレディ(大統領夫人)、メラニア・トランプ氏は5日、ホワイトハウスでロシアとウクライナの代表団と会談し、ウクライナにおける「より恒久的な」停戦を求めた。ウクライナでは先週、メラニア氏やローマ教皇などのはたらきかけにより、南部ヘルソン州で局地な人道的停戦があった。
6日間の停戦中、ロシア占領下のウクライナの町オレシュキから、飢餓と絶え間ない砲撃に直面していた数百人の住民が非難した。ロシアとウクライナ両政府は、メラニア氏がこの停戦を仲介したと評価した。
メラニア氏は、「罪のない人々の命は、戦争による分断を超越しなくてはならない。オレシュキがより大きな平和のきっかけになることを願っている」と述べた。
ロシアとウクライナは昨年以降、アメリカの仲介で公式の和平交渉を何度か行っているが、成果は上がっていない。5日のホワイトハウスでの会合は、こうしたなかで両国の高官らが対面する異例の場となった。
会合には、ウクライナの人権オンブズマンのドミトロ・ルビネツ氏と、ロシア側の人権オンブズマンのヤナ・ラントラトワ氏、ウクライナのダヴィド・アラハミア議員、そしてロシア大統領府(クレムリン)のキリル・ドミトリエフ特使が出席した。
メラニア氏の停戦における具体的な役割は明らかにされていないが、重要な役割を果たしたと評価されており、会合ではロシアとウクライナの大統領からの感謝の意が伝えられた。
メラニア氏は、停戦期間中に「地雷除去計画や航空写真を確認し、道路状況を評価し、避難経路、病院へのアクセス、車両、医療資源について話し合った」と述べた。
「オレシュキとヘルソン近郊の地域では先週、人々は2022年以来初めて、人生のささやかな喜びを味わった」
「彼らは爆発の恐怖を感じることなく、見慣れた通りを歩いた」
メラニア氏は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領のに感謝の意を表したが、2022年2月にロシアの大統領がウクライナへの全面侵攻を開始したことでこの戦争が始まったことについては一切言及しなかった。この戦争は、多大な人数の民間人の犠牲者と数百万人の避難民を生み出している。
実業家で、和平交渉にも参加した経験のあるドミトリエフ特使はメラニア氏に対し、 「多くの人々の命を救い、その人生に影響を与えてくれた」ことを感謝した。
「共に人道支援を続けよう。それが私たちにできることだ」ともドミトリエフ氏は述べ、オレシュキから避難した11歳の少女が描いた額入りの絵を、メラニア氏に贈呈した。
ドミトリエフ氏はさらに、戦争によって家族と引き離された子どもたちの再会に向けたメラニア氏の取り組みを称賛した。これには、ロシアがウクライナから拉致したとされる子どもたちも含まれる。
一方、ウクライナのアラハミア議員は、オレシュキでの停戦は「2022年以来最大の緊張緩和」だと述べた。同議員はゼレンスキー氏の所属政党「国民のしもべ」の党首であり、ウクライナ側の交渉団に参加している。
「我々は、双方が平和が訪れた際、実際に和平を維持するための仕組みを学ぶという勢いを生み出している」とも、アラハミア氏は述べた。紛争終結に向けた交渉の「政治的な道筋」は「複雑」であることを認めたうえで、ウクライナ側はメラニア氏に対し、「交渉を続け、新たな任務を見つけ、さらなる緊張緩和を図るよう」求めていると述べた。
メラニア氏は会合の最後に、ドミトリエフ・アラハミア両氏に、それぞれの大統領に直接手渡すよう指示した手紙を預けた。
ホワイトハウスはその後、ファーストレディが招待客らに「平和の力強い象徴として個人的に選んだ」歴史的遺物2点を披露したと明らかにした。
その一つは18世紀の薬箱で、1812年にイギリス軍がホワイトハウスに放火した際に運び出されたものだった。「かつては敵対関係にあったアメリカとイギリスは、最終的に強固な同盟関係を築いた」とホワイトハウスは述べた。
2つ目の遺物は、アメリカ・スペイン戦争終結に向けた尽力を称え、1899年にフランス大使に贈られたカップだった。
メラニア氏はこれまで、外交問題に関してはおおむね口を閉ざしてきた。ロシアもウクライナも今回、この戦争で最も長く続き、かつ広範囲に及んだこのデリケートな停戦の調整に、メラニア氏がどの程度関わったかの詳細を明らかにしていない。
ヘルソン州当局の関係者がBBCに語ったところによると、オレシュキからの避難実現に向けた作業は、ほぼ1年前から続いていたという。
しかし、この関係者は、「ある時点で他の人物が関与するようになった。どうやら既にほとんどの準備が整った後だったようで、それまでの進捗(しんちょく)についての手柄を横取りし始めた」とも話した。
この関係者は、誰がどの段階でどのような役割を担ったのかを正確に判断するのは困難だったと認めつつ、「約1年間交渉に直接関わっていた人々は、最終的にこの件について公に発言することを禁じられた」と付け加えた。
ホワイトハウスでの会談後、ゼレンスキー大統領は、オレシュキでの停戦の成功は「非常に単純なことを証明した。プーチンが戦闘を止めたいと思えば、戦闘は止まるのだ」と述べた。
「ロシアに拘束されている我々の同胞についても同じことが言える。プーチンが望めば、彼らは帰国できる」
アメリカ当局に近い消息筋も同様の意見で、BBCに対し、表面的な称賛とは裏腹に、「好むと好まざるとにかかわらず、停戦を可能にした人物は本質的にプーチンだ」と示唆した。
「これはトランプ(米大統領)にボールを渡すため、そして中間選挙で(大統領に)何らかのプラスの効果をもたらすために行われた」
ウクライナの政治アナリスト、ドミトロ・レヴス氏はBBCに対し、ロシアの立場には何ら変化はないと述べた。
レヴス氏は、ロシアは「アメリカから圧力をかけられ、それに従った(中略)しかしそれにより、ロシアは必要となればすぐに発砲を停止し、停戦を維持することさえできるというゼレンスキーの言葉を裏付けた」
最前線のヘルソンでは数年ぶりに6日間の平和が訪れたが、ウクライナの他の地域ではロシア軍の攻撃が続いている。
今週、ウクライナ各地でドローンやミサイルによる攻撃が相次ぎ、多くの民間人が死傷した。2日だけでも、ザポリッジャ州の救援物資配給センターに対するロシア軍の攻撃で40人以上が死亡した。がれきの下には、まだ多くの人が埋まっているとみられている。
追加取材:アナスタシア・レフチェンコ記者(キーウ)